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『コーヒーの絵本』のタイトルの話 [book]

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『コーヒーの絵本』は、「THE ILLUSTRATED BOOK ABOUT COFFEE」というサブタイトルを表紙に入れました。日本語にすると「コーヒーについての挿絵入りの本」という意味です。『コーヒーの絵本』にタイトルが決まった後、サブタイトルを入れようとシンガーソングライターの山田稔明さんに相談したところ、誌面を見て「THE ILLUSTRATED BOOK ABOUT COFFEE」を考えてくれました。絵本というと、どうしても子ども向けの本というイメージになってしまうので、内容を説明するようなサブタイトルを入れようと思ったのです。併記してあることで内容がより伝わると考え、ちょっと変則的なこの表紙デザインに落ち着きました。

 最後まで決まらないことが多い本のタイトル。最初からタイトルが決まっていることは稀です。大抵、企画書に『*****(仮)』と書かれた(仮)のまま進んでいきます。「途中で何か自然にいいアイデア出ますよ」なんて話をするのですが、いいアイデアが自然に出たことなどほとんどありません。最後の最後まで悩みに悩んで、絞り出すのが常。最終的にはじめの仮タイトルになることもよくありますが、妥協してそのタイトルにしたのではなく、あれこれ熟慮した上で一番いいとなった結果。『コーヒーの絵本』がまさに、そのパターンでした。

 いろんな著者さんに話を聞くと、希望は出すものの最終的に出版社の方が会議でタイトルを決めることが多いのだそうです。「タイトルは****に決まりました」と決定後に報告が来ることもあるのだとか。ミルブックスは「ひとり出版社」なので、社内会議=自己脳内会議となります。ひとりではなかなか決まらないので著者さん、デザイナーやイラストレーター、写真家などその本に関わる方々にアイデアをいただきながらまとめていき、最後は著者さんと腰を据えて相談して決めます。

 タイトルを決める時にいつも考えるのが、内容を的確にあらわしているということと、覚えやすいかということ。発音した時に、10音以上のものはほぼ覚えてもらえないので、なるべくそれを守ろうとがんばります。それを完全に無視して『鎌倉のカフェで君を笑顔にするのが僕の仕事』というすごく長いタイトルをつけたこともあるのですが。この時は、著者のカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュの堀内隆志さんとお話していて、「うちも長い店名だけどみんな略してディモンシュというので、この本は通称『鎌カフェ』と呼びましょう」ということにしました(無理がありますね)。余談ですが、日本人は5文字以上の名前は4文字に短くする法則があることに、この時に気がつきました。長い名前でも4文字に省略できればOKということでしょうか。

★おまけ 
『コーヒーの絵本』に決まるまでに出たタイトル案。
途中、私と庄野さんに佐野元春スピリッツが入ってしまい、完全に迷走しました。

コーヒーからはじめよう
コーヒー・デイズ
君とコーヒーがなけりゃ
コーヒーは僕の友達
おいしいコーヒーの理由 
おいしいコーヒーを探している
恋しいわが家、美味しいコーヒー
コーヒーをいれた。僕は大人になった。
こんな素敵な日にはコーヒーをいれよう
すべてはうまくいかなくても、美味しいコーヒーがあればいい
おいしいコーヒーをいれて、と彼女は言った
日曜日、午前10時のコーヒー
世界で一番おいしいコーヒーをいれよう
世界一おいしいコーヒーのつくり方
さあ、コーヒーをはじめるよ
まいにちのコーヒー
おはよう。コーヒーをいれたよ
君が好きなコーヒーをいれたよ
君と僕のためのコーヒー
コーヒーとわたし
僕の好きなコーヒー
わたしのコーヒー
コーヒーとハミング

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