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『くらすたのしみ』刊行記念 湯浅景子 装画展 [event]

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『くらすたのしみ』刊行記念 
湯浅景子 装画展
 
甲斐みのりの随筆集『くらすたのしみ』(ミルブックス)の刊行を記念し、装画を手掛けた湯浅景子の作品展を名古屋「ON READING」で開催。本書に掲載した装画、挿絵を展示します。普段の暮らしの中にこそ輝くものがあると感じられる作品をお楽しみください。
 
会期|2021年4月22日(木)ー 5月16日(日) 
   12:00-20:00 会期中の休み|4/27,5/6,5/11
  
会場|ON READING 
名古屋市千種区東山通5-19カメダビル2A tel:052-789-0855
 
*営業時間など変更になる場合もございますので、HPやSNSをご確認の上、ご来店ください。
*『くらすたのしみ』甲斐みのり・湯浅景子Wサイン本を販売。購入者にはカバー装画のオリジナルポストカードをプレゼント。
 
湯浅景子(ゆあさ・けいこ)
1973年名古屋市生まれ。
色を塗り、線を掻き、また色を重ねて塗りつぶす。
それを繰り返しながら、ひとつの景色が立ち現れるのを待ちます。


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山瀬まゆみ 作品展 「願布とイタリアン」 [event]

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山瀬まゆみ 作品展
Mayumi Yamase exhibition
 
願布とイタリアン
GUMP&ITALIAN
 
EEL Nakameguro | LIFE son
 
EEL Productsが毎年定番で発表しているプリントTシャツ、今年はアーティストの山瀬まゆみさんとコラボレーションしました。山瀬まゆみさんはEEL Productsと親交の深い、イタリアンレストランLIFEの相場正一郎さんのレシピブック『30日のイタリアン』『30日のパスタ』のアートワークを手掛けております。そこでTシャツとレシピブックの発売を記念し、EEL NakameguroとLIFE sonの2店舗で、山瀬まゆみさんの作品展を開催いたします。EEL Nakameguroは今シーズンのテーマに掲げた願布(GUMP)、LIFE sonはイタリアンをイメージした作品を展示いただきます。両店舗とも十分な新型コロナ感染防止対策を行い、皆様のご来場をお待ちしております。
 
*EEL Nakameguro 
2021年3月20日(土)〜3月28日(日)
〒153-0043 東京都目黒区東山1-8-6 2F
13:00-19:00(土日は12:00-19:00) 
水・木曜日定休(会期中の休みは3/24,25)
電話 03-6303-0284
 
*LIFE son   
2021年3月20日(土)〜4月11日(日)
〒151-0053  東京都渋谷区代々木4-5-13 レインボービルⅢ1
(コーヒースタンド)10:00~ (ランチ)11:30~14:30 (ディナー)18:00~20:00
月曜日定休(会期中の休みは3/22,3/29,4/5)
電話 03-6276−1115
 
営業時間など変更になる場合もございますので、HPやSNSをご確認の上、ご来店ください。
 
山瀬まゆみ
アーティスト。東京生まれ。ロンドン芸術大学チェルシー卒業。アクリルで描くカラフルな抽象画、フェルトを使った立体物作品を制作する。帰国後は様々な媒体でライターとしても活躍する。


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くらすたのしみ 甲斐みのり・著 [book]

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くらすたのしみ
甲斐みのり・著
 
2021年4月22日発売
ミルブックス
四六版・並製本・192頁
定価 (本体1,000円+税)
ISBN978-4-910215-05-1 
 
装画 湯浅景子
 
“普段の暮らしの中にこそ、輝くものがある”
他愛ない日々が愛おしくなる、暮らしの愉しみを綴った55の物語
 
文筆家・甲斐みのりが、これまでに書籍・雑誌・新聞等に寄稿した〈暮らし〉にまつわる膨大な随筆から厳選し、大幅加筆して再構成。毎日の暮らしを慈しむ愉しみを紡いだ、心が柔らかくなる優しく温かい随筆集です。愛用してきたものたちへの愛が溢れる〈くらすたのしみ〉、幼い頃から憧れた装いについて綴った〈少女遺産〉、旅で出会ったときめきのかけらを集めた〈旅の中へ〉、本から教えてもらった大切な気持ちを著した〈古本のある生活〉、いくつもの場面で救ってくれた音楽と映画の思い出を描いた〈カセットテープの記憶〉、愛猫と家族とのかけがえのない時間を語った〈猫と富士山〉、そしてなによりも大切な「好き」という気持ちを詰め込んだ〈好き〉。全7章、55篇の随筆を収録。日々の暮らしへの愛が詰まった新たな名作誕生!
 
暮らしとは私という主語を持つことだ。多くの手本があったとしても真似ばかりではつまらない。少しくらい雑でも、ダメなときがあっても、自分の楽しみを探すことこそ、私が望む暮らしのありかた。迷いながらも衣食住を営み、働き、学び、遊んで、寛ぎ、繰り返す日々の中に、ときどきご褒美みたいな出来事が待っている。(「はじめに」より)
 
*甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。1976 年静岡県生まれ。大阪芸術大学卒業後、数年を京都で過ごし、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、手みやげ、クラシックホテルや建築などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書は『たべるたのしみ』、『ポケットに静岡百景』、『ジャーナル』、『音楽が教えてくれたこと』(中島 愛との共著)、絵本『ふたり』(福田利之・絵)(ミルブックス)、『アイスの旅』、『地元パン手帖』(グラフィック社) など40 冊以上。『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)が原案のドラマ「名建築で昼食を」(テレビ大阪)の監修を手がける。

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大草直子×浜島直子 「「今まで」と「今」と「これから」の私たちの生き方」 [event]

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六本木蔦屋書店 オンラインイベント
大草直子×浜島直子
「「今まで」と「今」と「これから」の私たちの生き方」
 『飽きる勇気 好きな2割にフォーカスする生き方』(講談社)『蝶の粉』(ミルブックス)刊行記念
 
日時:2020年12月20日 (日)  14:00 - 15:30 
*大変申し訳ないのですが、今回アーカイブ視聴はなく、リアルタイムのみとなります。
 
この秋、ともに自身の半生を綴った書籍を上梓した大草直子さん(『飽きる勇気 好きな2割にフォーカスする生き方』講談社)と浜島直子さん(『蝶の粉』ミルブックス)。
以前から親交が深く、スタイリストとモデル、それぞれファッションに深く携わってきた、ともに名前が「直子」のおふたり(誕生日も1日違い!)がほぼ同時期に、ファッションをメインにした内容ではなく、思春期、仕事、家族のことなどを綴った本を出したのは、偶然ではなく、何かの必然性を感じます。
おふたりに本の話を中心に、これまで歩んで来た道を振り返りつつ、そして激動の年となってしまった2020年の年の瀬に、これからの生き方についてお話いただこうと思います。
 
詳細、お申し込みは六本木蔦屋書店のHPをご覧ください。


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浜島直子『蝶の粉』サイン入りポストカードプレゼント! [book]

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浜島直子『蝶の粉』重版出来記念
はまじサイン&メッセージ入り ポストカードプレゼント!
 
浜島直子の初随筆集『蝶の粉』早速多くの方に手にしていただき、大変ありがとうございます。SNSなどでも嬉しいご感想をたくさん拝見しており、大好評で発売わずか5日で重版が決まり、増刷分も完成しました。しばらく品切れしてしまったこと、お詫び申し上げます。
重版出来を記念し、本書を新刊購入した方を対象に「浜島直子サイン&メッセージ入り 蝶の粉ポストカード」を抽選で30名様にプレゼントいたします。
応募は下記の要領でお願いします。ぜひご参加ください。
 
*ご購入いただいた書籍『蝶の粉』の表紙写真を、【#蝶の粉】と付けてインスタグラムまたはツイッターに投稿ください。
あわせて本のご感想もいただけると嬉しいです。
*応募受付期間は、2020年11月30日までとさせていただきます。
*当選者には、ミルブックスよりSNSから当選のご連絡をします。
*その際にお伝えするメールアドレスまで、発送先のお名前、ご住所と、サインポストカードに記載する宛名をメールにてお送りください。なお浜島直子のサインは、当選者様の名前を入れたものとさせていただきます(無記名のサインカードはお送りできませんので、予めご了承ください)。
*プレゼントの発送は12月下旬を予定しております。
*すでに本の写真と感想を投稿された方で、本企画に応募される場合は、投稿に必ず【#蝶の粉】と付けてください。
 
【本企画で厳守いただきたいこと】
*浜島直子『蝶の粉』を新刊で購入者が対象となります。必ずご自身で新刊購入した書籍の写真とご感想を投稿ください。表紙写真がない投稿は無効となります。
*賞品の譲渡、転売は厳禁です。

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『30日のイタリアン』発売記念  クリスマスギフト! [book]

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相場正一郎『30日のイタリアン』発売記念
【LIFE & LIFE son】からのクリスマスギフト!
 
相場正一郎『30日のイタリアン』早速多くの方に手にしていただき、大変ありがとうございます。SNSなどでも嬉しいご感想をたくさん拝見しております。
発売を記念し、本購入者を対象に【LIFE & LIFE son】からのクリスマスギフトをご用意しました。

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抽選で相場正一郎が愛用する「STAUB シャローオーバル ホットプレート(LIFEオリジナル限定モデル)」を1名様


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大好評をいただいている「LIFE パスタミールキット」を5名様


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【LIFE & LIFE son】でご利用いただけるお食事券1200円分を10名様にプレゼント!


応募は下記の要領でお願いします。ぜひご参加ください。


*ご購入いただいた書籍『30日のイタリアン』の表紙写真(あわせて本の感想もいただけると嬉しいです)を、【#30日のイタリアン】と付けてインスタグラムに投稿ください。
*応募受付期間は、2020年11月30日までとさせていただきます。
*当選者には、LIFEのスタッフよりダイレクトメッセージで当選のご連絡をします。
*LIFE(@lifeyoyogipark)またはLIFE son(@life.son)のインスタグラムをフォローお願いします。
当選案内の際にインスタグラムのダイレクトメッセージでご連絡しますので、フォローがない方は当選対象外とさせていただくことご了承ください。
*当選者の方にはメールアドレスをお伝えしますので、発送先のお名前、ご住所、お電話番号を送信ください。
*プレゼントの発送は12月中旬を予定しております。
*すでに本の写真と感想を投稿された方で、本企画に応募される場合は、投稿に必ず【#30日のイタリアン】と付けてください。


本書内のレシピを実際に作られた方は、その料理写真も一緒に投稿いただけると嬉しいです。

 

【本企画で厳守いただきたいこと】

*相場正一郎『30日のイタリアン』を新刊で購入した方が対象となります。必ずご自身で新刊購入した書籍の写真とご感想を投稿ください。表紙写真がない投稿は無効となります。

*賞品の譲渡、転売は厳禁です。転売を発見した場合は、法的措置を取らせていただきます。


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STAUB シャローオーバル ホットプレート
LIFE オリジナル限定モデル
 
僕の大好きな形で、いつも愛用しているSTAUBのホットプレートを、MOBLERY WORKSにオーダーして、取手部分をウォールナットで仕上げました。シェイカー家具からヒント得た、少し大人っぽいLIFEだけの特別仕様で、他のどこにもないオリジナルSTAUBです。
フタ付きで食材のうま味を逃がさず調理できるホットプレートです。調理ができ、食卓をそのまま彩るストウブのホットプレートは熱伝導率の高い鋳鉄(ホーロー)製です。フタ付きなので、まんべんなく熱が回り火を止めてからも調理が続きます。保温性が高いので、そのまま食卓にだしても温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいままお召し上がりいただけます。オーブンに入れても、冷蔵庫で冷やしても使えます。原産国:フランス
オリジナルモデルの詳細は下記サイトをご参照ください(今回のLIFEバージョンは取手部分がウォールナットとなります)。



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『たべるたのしみ』湯浅景子 装画展 [event]

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『たべるたのしみ』(甲斐みのり・著)刊行記念
湯浅景子 装画展
 
甲斐みのりの食随筆集『たべるたのしみ』(ミルブックス)の刊行を記念し、本書の装画を手掛けた湯浅景子の作品展を東京「FALL」と名古屋「ON READING」で開催いたします。
 
◎東京 FALL
甲斐みのり『たべるたのしみ』展 会場内にて装画6点を展示します。
会期|2020年10月21日(水)ー 25日(日) 13:00-19:00 <会期中無休>
会場|FALL
東京都杉並区西荻北3-13-15-1F
 
◎名古屋 ON READING
装画、挿絵の他、本書内で紹介されているものを新たに描き下ろして展示いたします。美味しい味の記憶で綴られた本の世界をお楽しみください。
会期|2020年11月6日(金)ー 29日(日) 12:00-20:00 <火曜定休>
会場|ON READING 
名古屋市千種区東山通5-19カメダビル2A tel:052-789-0855
 
湯浅景子(ゆあさ・けいこ)
1973年名古屋市生まれ。
色を塗り、線を掻き、また色を重ねて塗りつぶす。
それを繰り返しながら、ひとつの景色が立ち現れるのを待ちます。

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『たべるたのしみ』重版記念 食の随筆 古書プレゼント! [book]

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甲斐みのり『たべるたのしみ』重版記念
サイン入りポストカード &
甲斐みのりセレクト・食の随筆 古書プレゼント!
 
甲斐みのりの食随筆集『たべるたのしみ』早速多くの方に手にしていただき、大変ありがとうございます。SNSなどでも嬉しいご感想をたくさん拝見しており、大好評で発売わずか1週間で重版となりました。
重版を記念し、本書購入者を対象に「サインポストカード&甲斐みのりセレクト・食の随筆 古書3冊セット」を抽選で5名様にプレゼントいたします。本書の装画ポストカード(湯浅景子・画/非売品)に甲斐みのりがサインを入れ、甲斐みのりが愛読してきた選りすぐりの食随筆の古書3冊と一緒にお送りします。
応募は下記の要領でお願いします。ぜひご参加ください。
 
*ご購入いただいた書籍『たべるたのしみ』の表紙写真(あわせて本の感想もいただけると嬉しいです)を、【#たべるたのしみ】と付けてインスタグラムまたはツイッターに投稿ください。
*応募受付期間は、2020年11月30日までとさせていただきます。
*当選者には、ミルブックスよりSNSから当選のご連絡をします。
*その際にお伝えするメールアドレスまで、発送先のお名前、ご住所と、サインポストカードに記載する宛名をメールにてお送りください。なお甲斐みのりのサインは、当選者様の名前を入れたものとさせていただきます(無記名のサインカードはお送りできませんので、予めご了承ください)。
*甲斐みのりセレクトの食の随筆古書は、写真にあるもの等から3冊をランダムにお送りします。古本につき多少の汚れや傷があるものも含まれておりますが、何卒ご了承ください。
*プレゼントの発送は12月中旬を予定しております。
*すでに本の写真と感想を投稿された方で、本企画に応募される場合は、投稿に必ず【#たべるたのしみ】と付けてください。
 
【本企画で厳守いただきたいこと】
*甲斐みのり『たべるたのしみ』を新刊で購入された方が対象となります。必ずご自身で新刊購入した書籍の写真とご感想を投稿ください。表紙写真がない投稿は無効となります。
*賞品の譲渡、転売は厳禁です。転売を発見した場合は、法的措置を取らせていただきます。
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2020年秋新刊3タイトル入荷店のご案内 [book]

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2020年秋に発売となる3タイトル
『たべるたのしみ』甲斐みのり
『蝶の粉』浜島直子
『30日のイタリアン』相場正一郎
 
初回入荷店をnoteにてご案内しております。
下記サイトをご参照ください。
 
『たべるたのしみ』『蝶の粉』は在庫がなくなり重版が決定しました。
しばらく品切れとなる可能性もありますので、ご購入を検討されている方、初版本を手に入れたい方はお早めにお求めください。


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『蝶の粉』が生まれるまで [book]

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蝶の粉が生まれるまで      

藤原康二(ミルブックス主宰/編集担当)

 

 浜島直子さんと絵本を制作している最中、「先月からエッセイの連載が始まったので、読んでみてください」と1冊の雑誌を渡された。絵本作りを通して、独自の視点で物語を描ける方だということは知っていたので、きっとエッセイも面白いだろうなと思ったが、おそらく自身のライフスタイルや愛用品、ファッションについて綴られているのだろうと想像した。

 しかし、私の予想は大きく間違っていた。そこに描かれていたのは心の奥底に隠し持っていたであろう、青春期の苦悩の数々であった。それが繊細で美しく、優しく瑞々しい筆致で描かれていたのである。笑顔の浜島さんしか知らなかった私にとって、それは衝撃であった。それと同時に、もっと彼女の紡ぎ出す言葉を読みたいと思った。

 それから、その連載がとても楽しみになった。私とは全く違う場所、環境で暮らして来た彼女の幼少期、青春期の家族との物語、そして彼女が紡ぐ言葉に毎回のように共感した。そして、心の奥底で眠っていた様々な記憶が鮮明に蘇り、まるで自分の物語であるかと錯覚さえすることもあった。

 3年ほど連載が続いていたが、雑誌が休刊されることになり、浜島さんのエッセイも終了することとなった。いつか1冊の本になって読める日が来ることを楽しみにしていたが、その時点ではまだ1冊の本にするには十分な文量ではなかった。何とか浜島さんの文章を本として世に出す方法はないかと思った瞬間、私は「エッセイを書き足して、出したい」と浜島さんに連絡していた。その話を聞いた浜島さんはその提案を快諾してくれたが、次の瞬間、驚くべき言葉が返ってきた。

「連載の時は文字数など、色々な制限があったし、今読み返すと気持ちが変わっていて、本には載せたくないものものあるの。だから、文字数の制限をなくして、もう一度ゼロから全て書きたいんです」

 私も連載を読んでいて、本当はもっと言いたいことがあるのだろうけれど、文字数の都合上、かなり端折って描いている内容もあってもったいないなと思っていた。浜島さんの申し出を二つ返事で受け入れたが、そうなるとすぐに発売という訳にはいかない。

 まとめて書くのが大変だろうからと毎月締め切りを決めて、月に1つ書き下ろしてもらうことになった。それから毎月25日に、1作品ずつ私のところに浜島さんから文章が届くことになった。

 前述のように、雑誌連載の時には文字数の制限があったが、これからは自由に書いていいとなったことで、浜島さんの表現は驚くほど豊かになっていた。最初に届いた1作は、雑誌連載時のものをベースにしながら書いたものであったが、文字数の都合で表現できなかった浜島さんの繊細な〈心のひだ〉が加わったことで、何倍も心を揺さぶられる、全く違う物語となっていた。

 いつしか、私は毎月25日が楽しみになっていた。今月はどんな世界を届けてくれるのだろうと、ワクワクしながら待つようになった。もちろん編集者という立場である以上、的確な修正をしないといけないのだが、浜島さんは1つコツみたいなものを伝えると、それを10以上理解し、自分の中で咀嚼していった。最初から素晴らしい文章であったが、書き進めるうちに目に見えて表現力が格段に成長していくことにも驚かされた。途中からは、誤植を直すくらいしか私の仕事はなくなっていた。

 モデルやタレントとしての仕事、子育てと忙しい中、浜島さんは毎月期限を守って(今月は無理ごめんなさいということはたった一度だけ)文章を書き上げてくれた。そうして、2年間近くに渡り書き綴ってくれた18編が完成し、1冊の随筆集として本の形にすることができたのだった。

 あらためて全文を読み直して、私が思い出した本がある。向田邦子さんの『父の詫び状』である。向田さんの幼少期を中心に、家族とのささやかだけれど大切な暮らしが綴られた名随筆である。亡き父に宛てた長い手紙のようでもあり、随筆であるがゆえに心の奥底にある核となる部分がむき出しになった私小説でもあると私は思っている。

 浜島直子さんの『蝶の粉』はまさに、それであると思う。浜島さんが家族に宛てた長いラブレターであり、全てをさらけ出した私小説であると思う。家族との何気無い日常を描きながらも、人として一番大切なことを丁寧に紡いでいったその言葉のひとつひとつに、私は心を揺さぶられた。

 テレビや雑誌での顔しか知らない人にとっては、この随筆集に驚くかもしれないが、読み始めてしばらくすると、知らず知らず浜島直子の描く世界の一員となることだろう。そして、心の奥に眠っていた様々な感情が、自身の思い出とともに蘇ってくるはずである。


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